毎年のことですが、岩魚が卵から孵化し始めました。

左の画像は岩魚が孵化する時に出す酵素の泡で、孵化の最盛期にはご覧のように泡で一杯となります。

別に洗剤を入れて、洗浄している訳ではありません。

光が入らないように板で塞ぎ、真っ暗な中で孵化は進行していきます。

右の画像は孵化したばかりの岩魚と孵化寸前の卵ですが、卵の中では岩魚の姿が確認でき、体や眼も見えると思います。

孵化したばかりは体長2兌紂体重0.1g弱で半年後は5〜10僉一年後は10〜15僉体重も一年後には孵化時点の200〜500倍で、人間と比べると物凄いスピードで成長します。

人間の体重は生まれたときの20倍位にしか成りませんからね、私は30倍、いや40倍だという方もいらっしゃる事でしょうが・・・

お腹の栄養の入った袋を吸収し終わるころには、ここ檜枝岐でも春が近づいてきますが、いましばらくは雪と格闘する日々が続きます。

山女は岩魚より産卵時期が早いのでもうすぐ餌を食べ始めますが、雪片付けも飽きてきたので早く岩魚が餌を食べる時期になってほしいものですね。

12月に河川放流した岩魚の発眼卵も、無事に孵化してくれるといいんですが・・・

 

"腰ったりぃ"とは同じ姿勢を続けて腰が痛くなった状態をいいます。

今日から岩魚の発眼卵の検卵が始まり、寒い中でのやや前かがみの姿勢を続けると "腰ったりぃ"という言葉しか出てきません。腰が固まってしまったかの様な状態です。

上は検卵作業中の画像で、四角い木の枠の中に死卵が混ざっている状態の卵を入れて右側の手作り検卵ばさみで白くなって死んだ卵を1個づつ取り除いていきます。

地道な単純作業ですが死卵を取り除くには今の時期しかないのでしょうがないんですが、腰の悪い私には非常に辛く苦しい作業です。

でもこの中の一粒が尺岩魚になる可能性もあるんですから、すごいことをやっているのかも知れません。

一粒づつ全部に魂を込めておきましたので、必ずや釣り針の餌に飛びつくと思いますよ。

今週末からは発眼卵の放流も予定されているので、"腰ったりぃ"などと言ってられません。

before



after



細胞分裂中の岩魚の卵です。

この画像では当然細胞分裂中という事が解らないんですが、確実に進行しています。

今年は採卵以降の水温がやや低いので、発眼は例年よりも少し遅れそうですが、自然のことなのでどうにもなりません。

数個白くなった卵が見えますが、これは死んでしまった卵です。

最終的に発眼卵となるのは、90%位で10%位は死んでしまいます。

自然界では何%位か解りませんが、人工的にやるとこの位が限度ですかね〜。

今年の採卵は水温の影響なのか、例年より一週間位遅れています。

前にお伝えした様に岩魚は毎年採卵できるので、麻酔をかけて左手で尾鰭の部分を持ち、右手でお腹を押すと卵が出てきます。

雌15〜20尾分の卵を搾ったら、そこに雄3尾分位の精子をかけるんですが、雄は麻酔をかけないのでかなり暴れて大変です。

雌の卵は真水に触れると授精しなくなってしまうのですが、約1%の食塩水(等調液と言います)に漬けておくといつまでも受精可能な状態を保つことが出来ます。

自然界では真水なのに・・・と思われるでしょうが、自然界では産卵とほぼ同時に精子をかけて授精するので大丈夫なんです。

一連の作業が10〜15分位かかるので等調液が大切な役目を果たしています。

山女や鮭は成熟=死なので自分の残した子孫を見ることが出来ませんが、岩魚は見ることが可能です。

でも岩魚に自分の残した子孫を与えると躊躇無く食べてしまいますが、自分の子供だと解らないんでしょうか。

自分の子孫を守って育てる魚もいますが、岩魚はどうなんでしょう。

今現在も卵は細胞分裂を繰り返しています・・・

今年も岩魚の採卵の時期となりました。

今日は寒い中岩魚の雌の熟度鑑別という作業を、一日中水の中に入ってやりました。

卵を搾る時期には個体差があるので、一週間に一回位この作業を行い、卵が受精可能な状態となったものだけ採卵します。

雄はと言うと、かなり前から準備万端でスタンバイして、雌の成熟をひたすら待っています。

その熟度鑑別をやっていると、たまに画像の上側の岩魚のように体表が少し光る個体がいるんですが、これは今年成熟しなかった岩魚で銀毛(ぎんけ)と呼ばれています。

下側は成熟した岩魚ですが、違いが解りますか。

昔、檜枝岐ではこれをひかり岩魚と呼んでいたようです。

成熟した岩魚は栄養を卵に摂られるので、秋の成熟した岩魚の刺身はイマイチなんですが、この銀毛岩魚は成熟しないので身に脂がのっていてとても美味しいんです。

鮭の中に鮭児(けいじ)と呼ばれる成熟していない鮭がいるのをご存知かと思いますが、非常に珍しくすごい高値で取引されていますがこれに近いものがあります。

成熟したものと銀毛の刺身を比べたら、まず見た目に銀毛のほうが艶がありますし、食べたら違いは歴然です。

ところで今TVのニュースで、今日人とニワトリがクマに襲われたと報道してましたが、いつまで餌の木の実の不作のせいにするつもりなんでしょうか。

木の実の不作はこの数年が初めてでは無く、昔からあったことなんです。

たとえば日本の山に普通の年、クマ100頭分の木の実があるとして、そこに30頭のクマがいたとします。クマは十分食べて冬ごもりしますが、不作の年にクマ50頭分の木の実しか無くても十分ですよね。ところがクマが倍の60頭に増えたら普通の年は十分ですが、不作の年は・・・

私には10頭がはじき出される計算になりますが、皆さんの計算の答えはいかがですか。

こんなことは私の頭でも考えられるのに、何故木の実の不作だけが原因のように報道されるのか、私には理解出来ません。

最近あちこちで鹿や猪も目撃されていますが、その報道では鹿や猪が増えたからいままで目撃されなかった所で目撃されていると言っていますが、餌不足だからとは言ってませんよね。

クマは餌不足が原因、鹿と猪は増えた事が原因、これっておかしくないですか。

車が増えたら事故が増えるのと同じだと思いますが・・・

人間も病気になってから薬を飲んで治療するより、病気にならないようにすることが大事だと思いますが、今年のクマ騒動もこう言う視点で見る必要があると思います・・・

右手の中指が攣ってきた〜。