去年の12月に発眼卵の放流をやった所へ、様子を見に行ってきました。

まだ除雪がされてなく、スノーモービルで行ってきました。

最近の雪解けで少し水量がふえていましたが、発眼卵放流用の箱は設置した所に残っていて、まずは一安心です。

問題は箱の中の状態で、祈るような気持ちで蓋の上に載せた石を取り、中を覗いてみました。

結果は95%以上が正常に孵化したようで、死んだ発眼卵が100個強、ここの孵化施設の孵化率よりは若干落ちますが、自然の中に設置し泥などの影響を考えると十分な結果だと思います。

毎年のことですが、岩魚が卵から孵化し始めました。

左の画像は岩魚が孵化する時に出す酵素の泡で、孵化の最盛期にはご覧のように泡で一杯となります。

別に洗剤を入れて、洗浄している訳ではありません。

光が入らないように板で塞ぎ、真っ暗な中で孵化は進行していきます。

右の画像は孵化したばかりの岩魚と孵化寸前の卵ですが、卵の中では岩魚の姿が確認でき、体や眼も見えると思います。

孵化したばかりは体長2兌紂体重0.1g弱で半年後は5〜10僉一年後は10〜15僉体重も一年後には孵化時点の200〜500倍で、人間と比べると物凄いスピードで成長します。

人間の体重は生まれたときの20倍位にしか成りませんからね、私は30倍、いや40倍だという方もいらっしゃる事でしょうが・・・

お腹の栄養の入った袋を吸収し終わるころには、ここ檜枝岐でも春が近づいてきますが、いましばらくは雪と格闘する日々が続きます。

山女は岩魚より産卵時期が早いのでもうすぐ餌を食べ始めますが、雪片付けも飽きてきたので早く岩魚が餌を食べる時期になってほしいものですね。

12月に河川放流した岩魚の発眼卵も、無事に孵化してくれるといいんですが・・・

 

"腰ったりぃ"とは同じ姿勢を続けて腰が痛くなった状態をいいます。

今日から岩魚の発眼卵の検卵が始まり、寒い中でのやや前かがみの姿勢を続けると "腰ったりぃ"という言葉しか出てきません。腰が固まってしまったかの様な状態です。

上は検卵作業中の画像で、四角い木の枠の中に死卵が混ざっている状態の卵を入れて右側の手作り検卵ばさみで白くなって死んだ卵を1個づつ取り除いていきます。

地道な単純作業ですが死卵を取り除くには今の時期しかないのでしょうがないんですが、腰の悪い私には非常に辛く苦しい作業です。

でもこの中の一粒が尺岩魚になる可能性もあるんですから、すごいことをやっているのかも知れません。

一粒づつ全部に魂を込めておきましたので、必ずや釣り針の餌に飛びつくと思いますよ。

今週末からは発眼卵の放流も予定されているので、"腰ったりぃ"などと言ってられません。

before



after



細胞分裂中の岩魚の卵です。

この画像では当然細胞分裂中という事が解らないんですが、確実に進行しています。

今年は採卵以降の水温がやや低いので、発眼は例年よりも少し遅れそうですが、自然のことなのでどうにもなりません。

数個白くなった卵が見えますが、これは死んでしまった卵です。

最終的に発眼卵となるのは、90%位で10%位は死んでしまいます。

自然界では何%位か解りませんが、人工的にやるとこの位が限度ですかね〜。

今年の採卵は水温の影響なのか、例年より一週間位遅れています。

前にお伝えした様に岩魚は毎年採卵できるので、麻酔をかけて左手で尾鰭の部分を持ち、右手でお腹を押すと卵が出てきます。

雌15〜20尾分の卵を搾ったら、そこに雄3尾分位の精子をかけるんですが、雄は麻酔をかけないのでかなり暴れて大変です。

雌の卵は真水に触れると授精しなくなってしまうのですが、約1%の食塩水(等調液と言います)に漬けておくといつまでも受精可能な状態を保つことが出来ます。

自然界では真水なのに・・・と思われるでしょうが、自然界では産卵とほぼ同時に精子をかけて授精するので大丈夫なんです。

一連の作業が10〜15分位かかるので等調液が大切な役目を果たしています。

山女や鮭は成熟=死なので自分の残した子孫を見ることが出来ませんが、岩魚は見ることが可能です。

でも岩魚に自分の残した子孫を与えると躊躇無く食べてしまいますが、自分の子供だと解らないんでしょうか。

自分の子孫を守って育てる魚もいますが、岩魚はどうなんでしょう。

今現在も卵は細胞分裂を繰り返しています・・・